里奈達とは商店街の前で別れ、二人は帰路に着いて歩いていた。

 何でも、彼等の家は皆商店街かその周辺にあるらしい。

 無駄にどうでもいい共通点だった。

 

「また行きたいよね、遊園地」

「そうだな。……ってか、全く懲りてないのな、お前」

 

 あれだけの目に遭ったにもにも関わらず、そう語る春名の表情は満面の笑みだ。

 ある意味、強い子かもしれない。

 

 ……まぁ、片棒を担いだ側として言えることでもないのだろうけど。

 

「楽しかったのは本当だもん。それに、今日の分はその内埋め合わせしてもらうんだよー」

「そうか。なら里奈にでも何か奢ってもらえばいいんじゃないか?」

 

 そう、ごく自然に帰したつもりだったのだが、その返答は春名の言葉で取り消された。

 

「むぅ、違うよー」

「違うって、何が」

「埋め合わせをするのは里奈じゃなくて、隼人君だよ?」

 

 ……はい?

 

 何か、今不思議なことを聞いた気がする。

 

「もう一度、仰っていただけますか? 春名さん?」

「だから、埋め合わせをしてもらうのは隼人君にだよー」

 

 聞き間違えでは無かったらしい。

 一体どういうわけか、彼女は自分にそれをやれというらしい。

 

「……何故、俺?」

「今日の発案者、隼人君」

「や、あれは麻子さんにチケットもらったからだし」

 

 そうだ。

 いくら発案者が祐人だといっても、その理由は麻子にもあるはず。

 

 が、

 

「問答無用なんだよ」

「……あの、春名さん?」

「なぁに?」

「実は結構怒ってる?」

「そんな事は無いよー? 無いよー?」

 

 繰り返し、にっこりと微笑んだ。

 確かに怒ってはいない表情なのだが……多分、心の何処かで怒っているのかも。

 

「……あんまり高い物は駄目だぞ」

 

 故にこの場は素直に頷いた方が正解と感じた。

 無駄に断って、今日の料理とかに変な物が混入しても困るし。

 

 ……まぁ、それに、

 

「えへへ、やった」

 

 この笑顔を見れるなら、それでもいいのかな、なんて思ってみたりしていた。

 

 

 

 それから五分も歩くと、羽水家が正面に見えてきた。

 

「やっぱり、歩くと結構時間掛かるね」

「まぁ、自転車で三十分掛かる道のりだからな」

 

 遊園地からここまで、皆が歩きたいと言ったのでそのように歩いてきたのだ。

 そのため、自転車での所要時間三十分の道のりを歩くことになったので、実際ここまで一時間ぐらい掛かったりしていた。

 

「すっかり暗くなっちゃったね」

 

 空を見上げて、春名は呟いた。

 それに釣られて、隼人も空を見上げる

 

 既に時刻は六時を過ぎていることもあってか、十月の空は既に真っ暗だった。

 

「さすがに羽目外しすぎたからな。麻子さん、少し心配してるんじゃないか?」

「うーん、遅くなることは分かってると思うし、大丈夫だと思うけどなぁ」

 

 まぁ麻子の場合、心配以前に帰ってくる時間とかを予測されていそうで怖いのだけど。

 

「まぁ、とりあえずさっさと帰ろう」

「そうだねー」

 

 そう言って二人が歩調を速めた矢先。

 

「「……え?」」

 

 二人は、それを見つけた。

 

 家の前に倒れた――一人の少女を。

 

 

 

 第九話 家出、行き倒れ 

 

 

 

「お、お母さんっ! ちょっと来てーっ!?」

 

 さすがに今の状況で近所迷惑云々を考えられるはずもなく、叫びながら春名は羽水家に突入した。

 それを見送り、隼人は視線を下ろす。

 

――脈はあるし……熱も怪我も無いし……。まさか事故ってわけでも無さそうだよな。

 

 その腕に抱かれた小さな少女の顔色を窺う。

 若干その顔色は悪いものの、それは病気とかでなるようなものではない。

 言ってしまえば、そう。まるで空腹で倒れたかのような――。

 

――……まさか、な?

 

 まさかこの歳で行き倒れでは無いだろう、と考えるが……なんでだろう。

 変に嫌な予感がするのは。

 

「隼人君! お母さん連れてきたよ!」

 

 やがて春名が麻子の腕を引っ張って出てくる。

 ……どうやら、混乱のせいで上手く説明が出来ず、やむを得ず引っ張ってきたのだろう。

 

「あら……。どうしたんですか? この子」

「いや、それが俺達にも……。怪我とか病気ってわけでは無さそうなんですけど……」

「……とりあえず、このままってわけにもいきませんね。隼人さん、この子を運んでもらっていいですか?」

「えぇ、それはもちろん」

 

 少女の膝の下に手を入れ、抱き上げる。

 思ったよりも非常に軽かったことに少しだけ驚きつつ、隼人達は家の中へと入っていった。

 

 

 

 リビングに入ってきた麻子と春名を見て、祐人は立ち上がった。

 

「どうでした?」

「駄目ですね……。身元の証明が出来るものは何も持ってませんでした」

「持ち物も、財布だけなんだよ。三千円とちょっとが入ってただけで」

「そうか……」

 

 どうにも、嫌な予感は的中しそうだった。

 が、さすがにこればかりは楽観視出来るわけは無かった。

 

「家出、でしょうかね」

「……そうですね。多分その線が一番濃いかと」

「家出って……あんな小さな子が?」

「それ以外、何かあるか?」

「うん……それもそうだけど……でも」

 

 まぁ確かに、あんな年端もいかないような子供が家出、というのもおかしな話だろう。

 だがそうだとすれば、ただ事ではすまないのも確かだ。

 

「とりあえず起きるのを待って、話を聞いてみましょう。話はそれからでも遅くありませんから」

 

 真っ先に警察と言うのは、あの子が可哀相、という気遣いなのだろう。

 家出なのだとすれば、理由があるはず。

 それを聞いてからでも遅くはないと麻子は判断したのだ。

 

「それじゃあ、私が看病してるよ。お母さんは夕食の続き、お願い」

「分かったわ。それと隼人さんは、春名を手伝ってあげてくれませんか?」

「えぇ、初めからそのつもりですよ」

 

 とはいえ、手伝うと言ってもやることは殆どないわけなのだが。

 まぁもっとも、麻子がそんな役割を二人にやらせるのも、きっと今日は動いて疲れているからという気遣いをしてくれたからなのだろう。

 隼人はそれに気付いてはいたが、その好意を無下にするのも何なので、素直に頷くに留めた。

 

「後であの子に簡単な食事を持ってきますね」

「了解です。俺達の分は出来たら呼んでください」

「えぇ。春名も、いいわね?」

「うん。オーケーだよ」

 

 春名がそう頷くのを確認してから、麻子は台所へと戻っていった。

 

「それじゃあ、俺達も行こう」

「そうだねー」

 

 

 

 客間に敷かれた布団の上で、少女は寝息を立てていた。

 

 少女はまだ目を覚まさない。

 一体いつからこの様子なのかは分からないが、外で倒れていたにも関わらず誰にも見られていなかったのだから、おそらくそう長い時間ではないはずだ。

 つまり逆を言えば、下手をすれば今日には目を覚まさない可能性もあるわけで。

 

「困ったね……」

「だな。名前だけでもわかれば何とかなるんだけど」

 

 春名の言った通り、少女の持っていた財布はよくある可愛らしいデザインのものだったのだが、そこに名前など彼女のことを示すものは無かった。

 もちろん、他に荷物を持ってはいなかったので、他に確認をする方法は無い。

 

「ねね、隼人君」

 

 不意に、春名は小さく笑みを浮かべ、隼人を見た。

 

「キスしたら目、覚めるかな?」

「襲う気か己は」

 

 いきなりとんでも発言――というか天然発言をかました春名に、祐人は呆れ顔とため息を返す。

 何でこう、この娘はこういう時でもこんな発言が出来るのだろうか。

 何と言うか、緊張感が足りない。

 

「冗談だよー」

「お前が言うと冗談に聞こえないんだ」

 

 基本的に、天然だし。

 

「む、なんだよそれー。それだと私が変な子みたいになるよー」

 

 十二分に変な子だし。

 

「まぁ、春名が変な子かどうかは置いておいて」

「変な子じゃないよー」

「声大きいぞ」

「ん……」

 

 気付いて、自分の口を塞ぐ。

 しかし、少女は変わらず眠り続けていた。

 

 まぁこの程度で目が覚めるなら、初めから苦労はしないのだけど。

 

「とりあえず、今日は様子を見て、目を覚ましたら話を聞くしかないか」

「そうだね。……でも、家の人とか心配してないかな」

「それも気になるけど、結局は目を覚まさないことには始まらないだろ」

「うーん……。せめて名前だけでも分かればなぁ」

「まぁ、とりあえず沙恵さんが警察に連絡してくれてるし、捜索願いとかが出てることを祈ろう」

 

 もっとも、出ていたとしてもそれがこの少女本人のこととは限らないのだが。

 しかし現状では何も出来ないのも事実なので、どうかそうなることを願うしかなかった。

 

 

 

 

 

 

『ひあぁぁぁぁぁぁっ!?』

 

 そして深夜、隼人達はそんな悲鳴に飛び起きた。

 

「はぁっ!?」

 

 わけも分からず隼人はベッドを飛び起き、音の発信源を探す。

 が、当然自分の部屋の中からそんな悲鳴があがるはずもなく、その捜索先はすぐに部屋の外へと絞られた。

 

 とりあえず廊下に飛び出し、声を探し――というか、さすがにここまで来ると頭もしっかりと活動を再開していたので、向かう先は一つだ。

 

『え、な、ちょ、ひゃぁぁぁぁぁっ!?』

 

 ……すぐ隣の部屋から、どしーん、と凄い音が聞こえたのだが、まぁそっちはスルー。

 

 そしてその尊い犠牲を経て、すぐに隼人は目的の部屋――即ち、件の行き倒れ少女の眠っているはずの部屋の前に着き、その扉に手をかけ、開け放った。

 果たしてその先には――。

 

「ふ、ふぇぇ……っ! 真っ暗……!? 何で真っ暗なの……っ!?」

「……」

 

 ……布団を機用にも全身に絡みつかせ、全力でのたうち回っている化け物がいた。

 

 って、そんなわけはない。

 

「あー」

 

 とりあえず隼人は反応に困り、そして現状を再確認し、うん、と頷き一つ。

 

 そうして出した結論。

 とりあえず、助けよう。

 

 結論を出してしまえば行動は早かった。

 布団に手を伸ばして掴むと、一気に引っ張る。

 すると当然のように布団は持ち上げられ、

 

「ふえっ」

 

 ころん、とその中から少女が姿を見せた。

 

 敷布団の上に少女は転がる形になり、数度目をしばたかせた後に視線を上げる。

 もちろん、そうすれば当然そこにいる隼人と目が合うわけで。

 

「……おはよぅ?」

「今は深夜な上に、疑問系の挨拶はどうかと思うぞ?」

 

 器用なのかどうなのか、仰向けに倒れて隼人を見つめる形のままぺこんと頭を下げる少女。

 でもすぐ隼人の言葉に首を傾げ、そこでもう一度、周りを見渡した。

 ……どうにも、行動が落ち着かない子だ。

 

 そして歳相応な仕草で指を顎に当てると、

 

「……だぁれ?」

 

 隼人へとそう問い掛けるのだった。

 

 

 

 

 

 

「頭痛い……」

「落ちるように寝てるからだろ」

「いきなりあんな叫び声がしたら普通驚くよ……」

「いやまぁ」

 

 驚くけど、落ちない気がする。

 でもそれを突っ込んでは泥沼なので、敢えて言わずに留めるけれど。

 

「それで、比奈ちゃん。どうしてあんなところに倒れてたのか、訊いてもいいかしら?」

 

 微笑みを浮かべ、麻子は少女――比奈へと問うた。

 自己紹介に関しては既に済ませているため、早々と本題へと移ろうとしているのだろう。

 まぁ、麻子としても身元不明の少女をいつまでも家に置いておくわけにはいかないと判断しているのかもしれない。

 もちろん、この子の家族が心配するから、という意味でだが。

 隼人の件もあることだし、別に家にいる分では大歓迎のはずだ。

 

「えっと……」

 

 しかし、比奈は何故かその問いに口篭もる。

 ……というよりは、いい悩んでいる?

 

「どうか、したの?」

 

 同じことを春名も感じたのか、小首を傾げながらもその問いかけをするが――。

 

「え、と……」

 

 それでもやっぱり、比奈は言い淀んでいた。

 やはり、何か言いにくい特別な事情でもあるのだろうか。

 

 ……いやまぁ、そうでなければこんな年端も逝かないような少女が行き倒れになるはずもないのだけど……。

 しかし、かと言って、そんなことを無理矢理聞き出すのもさすがに気が引けた。

 だから、どうしようかと隣にいる春名に視線を向けるが、春名も同様のことを思ったらしく、視線がバッチリと合い、どちらからとも無く苦笑。

 駄目な二人である。

 

「言いたくないことなら言わなくてもいいのよ? でも、お家の人とかも心配するでしょうから、出来るだけ教えてくれないかしら?」

 

 だがそこはさすが大人。

 そんな二人を見かねてか、会話の主導権を自分に戻しながらも、麻子がそう問い掛けたのだ。

 もちろん、微笑みはそのままに。

 

 それは誰が見ても安心できるようなその微笑みだ。

 比奈はまだ子供なのだから、なおのこと麻子のような安心できる存在を自然と信頼することが出来る。

 ……まぁ、だからこそそういう犯罪とかも増えてるわけだが――まぁそれは割愛するとして。

 とにかくそんな理由から、麻子は優しく比奈へと問いかけた。

 

 ――が、結果は予想外。

 

「あ、あぅ……」

 

 何故か比奈は、そんな麻子に対してさらに困ったような表情を浮かべたのだ。

 それが何を意味しているのか、当然ながら隼人達にはなお分からない。

 

「言えないことかしら?」

 

 だが、それでも麻子は優しく問い掛け続ける。

 

 そんなやり取りを数分ぐらい続けた頃だろうか。

 

 

 

「えっと……何も、分からない……」

 

 

 

 比奈が、そんな記憶喪失宣言をしたのは。

 

「……えーっと、それって冗談?」

「……あぅ、本当……」

 

 悲しげに項垂れる比奈に、春名は苦笑とも失笑ともいえないような微妙な表情を浮かべる。

 どうやら、対応に困っているのは彼女だけではないらしい。

 まぁ……いきなり記憶喪失ですなんて言われれば当然だけど。

 

「比奈ちゃん。ゆっくりでいいから、何か思い出せない?」

 

 しかし驚くことに、麻子は実に冷静だった。

 春名や隼人のように表情を変えることなく、ただ微笑を浮かべてそう比奈へと問い掛ける。

 

 が、結果は変わらなかった。

 比奈はしゅんとした表情で項垂れ、悲しそうに首を横に振るだけ。

 

「困ったね……」

「持ち物にも、手掛かりになるものは何も無かったんだろ?」

 

 比奈には聞こえないように、春名に耳打ちする。

 

 自己紹介の少し後、比奈の持っていた物を確認したのは春名なのだ。

 もちろんその際、隼人は席を外していたが。

 

 春名はその言葉に頷きを返し、でも、と一つだけ付け加えた。

 

「家出なのは間違いないと思うよ」

「分かるのか?」

「うん。随分と思い悩んでたみたいなんだよ」

 

 そう言うと、春名は寝間着のポケットへと手を入れ、一枚の紙を取り出し比奈に見えないように隼人へと渡した。

 受け取った隼人は、首を傾げながらとりあえず比奈に見えないようにそれを広げ、

 

「『けいかく書』……ねぇ」

 

 一番上に書いてあった言葉で、大方の事情を察した。

 

 そこに書かれていたのは、持っていける予算や行く場所の候補などなど。

 隅っこには『野宿』という単語まで見えたが、それはある意味で恐いので見なかったことにする。

 

「そんなに細かく書けてるわけじゃないけれど、比奈ちゃんの年齢から考えれば即席で作ったようにも見えないでしょ?」

「確かに、な」

 

 これだけのものを比奈が書いたのだとすれば、きっと何日も掛けて考えたのだろう。

 その証拠に、幾度にも渡って鉛筆の消された跡があり、びっしりと文字が書き連ねられている。

 

「見たらしまってね。比奈ちゃんに見られるとまずいから」

「あぁ」

 

 おそらくは、調べた時に比奈の財布の中から見つけたのだろう。

 本人に直接聞かずにこっそり抜き取る辺り、何とも言えないのだが。

 まぁ、それはさて置き。

 

「一応、この紙で住んでた所が分からないかも調べてみたんだけど……さすがにこれじゃあちょっと」

「いや。これを見つけただけでも上出来だ」

 

 おかげで、今後の対応がしやすくなる。

 これ程に入念な家出計画と、原因不明の記憶喪失。

 そこから考えられることと言えば、やはりポピュラーなもので家庭環境によるものがあると見ていいだろう。

 あまりに酷い家庭環境に嫌気が差しての家出、という感じなのかもしれない。

 

 隼人は、視線を上げて比奈を見た。

 

「あのあの……洗面所使ってもいいですか? 顔洗いたいんですけど」

「えぇ、構わないわよ。おいで、案内してあげる」

 

 麻子に連れられ、部屋を出て行く比奈。

 記憶喪失だからかもしれないが、その様子を見る限り、やっぱり何も変わらない普通の少女だ。

 

「でも、やっぱりそういう事情がないと、記憶喪失なんて事にはならないと思うけど……」

 

 春名の言う通りだった。

 もちろん、その考えはあくまで推測の域を出ないが、そういう可能性もある以上、無理矢理に家族を探すのもあまりいい考えとはいえない。

 もしその考えが杞憂で、警察に捜索届けなどが出ていればそれでいい。

 それは比奈が家族に心配をされているということで、そうだとすれば早めに家族のもとへ返せばいいのだから。

 

 が……。

 

「最悪の可能性としては……捜索届けすら出されて無い状況ですね」

 

 比奈は洗面所だろうか、先に戻ってきた麻子が困り顔でそう言う。

 

 そうなのだ。

 もし比奈の家族との関係がが推測の通りのもので、もし家族が探そうとも思わないような程に深い事情だったら?

 

 そうなれば、当然捜索届けは出されず、比奈はまず家族の元へは帰らないことになる。

 出来ることならば、それはなんとしても避けたい事態だったが……。

 

「今は、そうならないことを祈るだけ……だね」

「そうね……」

「とりあえず、俺が明日の学園の帰りにでも警察に寄ってみます。届けが出てるか確認したいですし」

「えぇ、お願いしますね」

「はい」

「ありがとうございましたー」

 

 不意に扉が開いたものだから、隼人達は一瞬身を竦ませた。

 が、幸いにも扉を開けた比奈には話が聞こえていなかったらしく、今度は安堵の息が漏れる。

 もちろん、そんな光景に比奈は一人首を傾げていたが。

 

「まぁ、とりあえず今日は遅いし、寝ようよ」

「だな。賛成」

 

 そんな比奈をスルーし、挙げられた春名の提案に残る二人は頷いたのだった。

 

 

 

 

 

 

  あとがき

 

 どうも、昴 遼です。

 『君に会えた奇跡』の久々の更新ですー。

 今回のメインは、家出少女こと比奈でした。

 実は、原作に比べて一番設定が変わったりしてるキャラなんですが、まぁ立ち位置とかは変わらないので気にはならないと思います。

 

 もちろん、あの子との絡みもありますよ(ぁ

 

 

 

 ……というか、何か久々に書いたのであまりここに書くことが思い浮かびませんねw

 まぁ、中途半端ですが仕方ないので今回はこの辺りで、でわー。




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