今、少年こと、杉矢隼人(すぎやはやと)は非常に困っていた。

 見知らぬ街ということで少しは考えていたことだし、一応は対策もしていたつもりだった。

 しかし、だ。

 その唯一の対策である、駅前のコンビニで買った地図なのだが――

「……どこだ、ここ」

 まったくもって、自分が何処にいるのか分からなかった。

 どうやら、こんなシチュエーション、ゲームか小説だけでいいと思ったこともあったのだが、人間、やろうと思えば――実際は思ってはいなかったのだが――出来るらしい。

 本当に困った。

 どうしよう、と隼人は周りを見渡してみる。

 前後左右。ついでに上下と。広がるのは、全く知らない景色である。

 どうしよう、と今度は呟くように口に出した。

 

 迷ってしまった。

 それも、全く見知らぬ街で。

 

 しかも周りには誰もいない。既にコンビニとかも無い。ただ広がるのは住宅街だけ。そんな場所で。

 地図は役に立たないし、当然ながら知り合いなんかもこの辺りにはいない。

 つまり、今の隼人に術は残っていなかった。

 今度――があるかは分からないが――するときは絶対にもっとちゃんとした事前準備をしよう。

 そう、今どうするかではなくそんないつかの未来のことに大きく頷く。

 ちなみにもちろん隼人だって気づいてはいる。

 だが、ちょっとした現実逃避に走っているだけなのだ。

 そう――ここから駅前に戻るなり、ともかく手段を考えることが第一に成すべき事だということぐらい分かってはいる。

 しかし、どうしよう。

 実を言うと、ここへ来るまでの道など既に覚えていないのだ。

 しかも頼みの綱の地図は役に立っていないのだからどうしようもない。

 もはや疑問はどうしようではなく、どうすればいいんだろうに取って代わられる。

 万が一となれば警察とかに頼る手もあるのが、それはあくまでも最終手段にしたい。

 だけどそれならどうしよう、と。もう何度目になるかも分からず首を傾げる。唸る。悩む。

「……誰か助けてください」

 とりあえず、呟いてみた。心の内を吐いてみた。

 そんなことをしたところでどうにもならないことぐらい、分かって――

「どうかしたの?」

 ――……いるのに?

「……は?」

 振り返ってみた。

 その視線の先に、いつの間にか少女がいた。

 いつの間に? と思う間も無く、その少女は再び口を開く。

「どうか、したの? ……あ、もしかして先におはよう?」

「……おはよう?」

 疑問系の挨拶に疑問系の挨拶。そんなわけの分からない朝の挨拶を済ませ少女は満足したのか、またいきなり問い掛けてくる。

「それで、どうかしたの? 何か困ってるみたいだけど」

「……あー、えっと……」

 どうしたものか、と少し冷静になって考えてみる。

 服装からして、この少女はこの辺りに住んでいるのだろう。明らかに外着ではない。

 そして、隼人に声を掛けたのも隼人自身が呟いたからだ。

 つまり、この少女は完全な善意で隼人に話し掛けてくれたのだろうが……

 ――何だか……善意なだけに理由を話したくない……

 それは凄く恥ずかしいことのような気がした。

 道に迷った挙句、金が尽きて帰れません。などと口が裂けても言えはしない。

「あ、ひょっとして迷っちゃったとか? そう言えば見慣れない顔だけど」

「……思ったことをそのまま口にするのは、自分の評価を著しく下げることがあるからやめた方がいいぞ」

「むむ、それはそうかもしれないけど……。あ、ひょっとして図星だった?」

「……思ったことをそのまま口に――」

「図星なんだねぇ」

 ……本気で泣きたくなった。

 もう、なんか色んな意味で。

 いやいっそ泣こうか。

 きっと色々楽になれると思う。

「……あれ? えっと、どうしたの? 何で泣きそうなのかな……? ってあー! なんか本当に泣きそうっ!?」

「泣いてやる……。こうなったらマジで泣いてやる!」

 ガキがいた。

 とてつもないガキがそこにいた。

「はっ! 迷子がなんだ! 迷うことなんか恐くないぞ! こんな歳でも迷子にはなるんだよチクショーっ!」

「うわーっ! ってかこんな所で叫ばないでってば! 私が変な目で見られる!?」

「旅は道連れ世は情けっ!」

「すっごい自己中心的な論理だよねそれーっ!?」

 ちなみに、ぎゃーぎゃーと騒いでる二人は既に注目の的だ。

 人通りこそ無いものの、ここが住宅街であることを忘れてはならない。

 既に近くの家の窓は開け放たれ、何人かの人達が何だ何だとこっちを見ていた。

 しかも、さらに不運なのは少女の方。

 やはりこの近所に住んでいるらしく、あっちこっちと体を回しては頭を下げまくっていた。

 が、不意にこちらへと振り返ると、いきなり隼人の口を塞いだ。

「恥ずかしいからっ! 私マジで恥ずかしいからやめてっ!」

 その上でそう悲願された。

 しかもちょっと涙目で。

 ……あれ? 何でこっちが悪者見たく見えるんだろう。というかいつの間に立場が逆転したんだろう。

 そうなのだ。

 なんかこう、少女に涙目で悲願されるシーンは、誰が何処からどう見ても男側の方が悪人に見えるわけで……

「……あー、えっと。皆さん、別に俺は悪くないですよ?」

 などと爽やかな笑みを浮かべてみたのだが……如何せん。片方はこの近所に住み、顔も知られているだろう少女。

 だがもう片方は、得体も身分も何も知れない少年だ。

 信じるどころか人々の視線は逆にこちらを疑うような視線に変わっていく。

 うわぁ……と思うと同時。

 ――今日は厄日か!?

 心の中で絶叫しつつ、とりあえず少女の手を引っ張って全力疾走を開始した。

 もう、何でどうしてこんなことになったんだろう。

 いや分かってはいる。

 誰も悪くなんか無い。

 悪いんだとすれば、それは時代の流れとか、きっとその辺りなのだ。

 

 

 

第一話 迷い、出会い

 

 

 

「……ん?」

 目を覚まして最初に感じたのは違和感だった。

 別に今日が日曜日なのに、起きた時間が平日と変わらなかったからとか、そもそも何故かそんな時間に起きられたとか、そんな簡単なことではなくて。

 話し声がする。

 それも、本来誰もいないはずの一階から。

 この時間は、既に隼人の両親は既に出ているはずの時間帯なのに、何故か会話が聞こえるのだ。

 何かあったのだろうか? 暴風警報が発令されたとか、なんかそんな辺りの理由が。

 ――まぁそれは直接訊けばいいか……

 まぁ……長い話になるようならばこちらから願い下げなのだが。

 しかし、あの仕事人間の二人が家にいるとは本当に何かあったのだろうか。

 基本的には家にいることなどほとんど無く、顔を合わせるのだって一日に一時間あるか程度なのに。

 もちろん、仕事上それは仕方ないことだと隼人も分かっている。

 だからもし二人が休みなのならば今日一日しっかりと話せるだろう。

 ――まぁ、一日ぐらいはこういう日があってもいいよな

 そう思いながら着替えを済ませ、一階へと向かう。

 だが――

 予想外にも、二人のいたリビングに流れていた空気はそこまで明るいものとは言えなかった。

「おはよ。……てか、何? この重苦しい空気は……何かあった?」

「あぁ、隼人か。おはよう」

 そう言えば、二ヶ月ぶりぐらいか。こうして朝の挨拶を交わすのは。

「隼人、朝ご飯は食べる?」

「んー、まだ腹減ってないからいいや。……で、あからさまに話題が逸らされてそうなんだけど」

「いやな……隼人、ちょっとばかり凄い話なんだが……聞くか?」

「……それは、いい意味? それとも悪い意味?」

「……残念ながら後者だ」

「……いえ、聞きたくないです」

 人間、正直な生き物だ。

 さらに言えば、隼人は好奇心よりも直感を信じる人間である。

「まぁお前ならそう言うとは思っていたが……やっぱり聞いてくれ。というか聞いてくれないと困るんだ」

 だったら初めから聞くなと。

 しかも予想していた上でこんな話の運びをするんじゃないと。

 言いたいことは、朝から盛りだくさんである。

 が、まぁ結構真面目な話のようなので、とりあえずは向かいのソファに腰掛ける。

「いいか、隼人。これから話すことを落ち着いて聞いてくれ」

「……いやもう子供じゃないんだからさ。てか、何? 話って離婚話とかそんなのだったりするわけ?」

「あー……いや、そういうわけじゃないんだけどな」

 だったらあんな話の切り出し方はやめてほしい。

「で、何?」

 ため息混じりに返したのに、何故か父の方から帰ってきたのもため息。

 そしてその後、

 

「実はだなぁ……。仕事の都合で、父さんが海外に飛ばされることになったんだが……」

 

 父はそう言い放った。

 

「ちなみに……私も一緒に行くことになってね……」

 

 母も言い放った。

 

「……はぁ?」

 

 隼人は顔を歪めた。

 

 当然だ。

 そんな反応が当然のはずだ。

 というかいきなりそんな話を切り出されて、はいそうですかと頷く人間がいてはたまらないだろう。

「いや……いつもお前には迷惑を掛けていて悪いとは思うんだが……これだけはどうにもならなくてな……」

 ドッキリならばドッキリだと早めに言ってほしかったのだが、生憎、両親の口からそれが放たれる様子は無い。

 つまりは――そう、本当の話であることを肯定しているようなものであって。

「なぁ父さん……殴っていいか?」

 気が付けば、右拳がしっかりと硬く握り締められていた。

「いや、早まるなっ。別にお前に無理矢理でも着いて来いと言うわけではないんだ」

「……でも、その様子だとこの家に残ってていいってわけでもなさそうだけど?」

「……あー、その通りなんだが……」

「母さん、フライパン貸してくれ。出来れば鉄製。中華なべがあればなお良し」

「ちょ――待てっ。早まるなと言ってごふっ!?」

 殴っておいた。問答無用で。

 鉄製のフライパンも中華鍋も無かったのでステンレス製のフライパンだったのだが、威力は十分だ。

「ありがと、母さん」

 笑顔でこれを手渡してきた母へとそれを返還し、とりあえずは父に向き直る。

「おま――息子に言われてもそんな物手渡さないでくれっ!」

「あら、一応私も巻き添え食ってるわけなんだから」

「……実は恨んでるだろ」

「えぇとっても」

 ちなみにここまで容赦の無い一言だが、これでも結婚二十年目近く、仲もいい夫婦である。

 ……そんな様子、息子の隼人でさえもまったく分かりはしないのだが。

「で、とりあえず俺にはどうしろと? てか俺の選択肢を言え」

「む……。とりあえずは、父さん達と一緒に来る――のは反対だろう?」

 それは当然である。

 無言の頷きで肯定すると、父も同じく頷いて話を進める。

「まぁそれが一つ目の選択肢だ。 それで二つ目だが、私の学生時代の友達、にそういうことなら隼人を預かってくれてもいいと言ってくれている人がいてな、その人の所に行くか、だ」

「……なぁ、簡単に友達の家とかじゃ無理なのか?」

 正直、二つとも却下だった。

 両方のどちらを取ったとしても、おそらくはこの街を離れることになるのだろう。

 そうなれば今の友達とも別れなくてはいけないし、学校も転校する必要がある。

 それは出来れば勘弁願いたかった。

「だが、何ヶ月掛かるかも分からないのに預けるわけにもいかないだろう。お前の幼馴染のすずちゃんだって、一家揃って仕事とかで忙しいはずだ」

「ある意味、究極の選択だな……それは」

「いやいや、そうでもないぞ? 私の友達の家といっても、新幹線で二時間弱の所だ。帰りたくなったときに言ってくれれば、チケット代ぐらいは送るし、休みの日だったらこの家を使ってもいい」

「……ちなみに、転校手続きとかは?」

「今朝、私が学校へ行って休日出勤の先生のところで済ませてきた」

 即答であった。

 ……いや、しかしそうなれば、既に選択肢は二つどころではない。

 つまりは転校先すらそれは決まっているということではないのか……?

「……父さん、俺を海外に連れて行く気、無いだろ」

「……いやぁ、どうせ行きたいなんて言わないだろう?」

「母さん、今度はまな板」

「こらこら! 簡単に父親を殴ろうとするんじゃ――ってお前もまた渡してるんじゃないっ!」

 今まさに母から隼人の手に渡ろうとしていたまな板を、刹那で父がぶん取る。

 その反射神経をもう少し別のところで生かしたらいいのに。

「まぁ……仕事が片付いたらまたこっちの学校に戻って来れるし、今回ばかりはどうにもならないんだ……」

「もう選択肢すらないわけだな……俺には」

「いや……本当に悪いな……」

「……人間、諦めが肝心なんだろ。もういいよ、慣れてる。でも、今度いつかまたこんなことがあったら家出するぞ? マジで」

「……肝に銘じておこう」

 

 

 

「――とまぁ……そんな経緯なわけなんだけど……」

 公園のベンチに腰掛けながら、そんなかんだでの事情を隼人は説明していた。

 とりあえずは誰でも助けが欲しかったのだ。

「……君も大変なんだね……。お父さんから住所とか地図とか、何か貰ってないの?」

「地図は下手過ぎてどうしようもなかったから捨てた。あれは小学一年生並だ」

 仮にも大人の絵なのに、目印にならなさそうな目印を書き込むこととか距離感が滅茶苦茶な地図を書かないでほしい。

 ともかく役立たずもいいところだったのだ。あの地図は。

「で、一応その人の名前と住所は貰ったけど……こんな知らない街で、住所なんかが役に立つわけ無いだろ?」

「あー……それは言えてるかなぁ。……というか、私は自分の家とその周りの住所しか知らないし」

「……それはそれで、なかなか問題があると思うんだけどな」

「あはは……。まぁ……力にはなれそうにないかも。苗字も見せられても、多分さっぱりだからなぁ。……ごめんね?」

「いや……勝手に頼ったのは俺だから気にしないけど……これで手詰まりかぁ」

 しかし、だ。

 こちらの事情を話している内に、既に空の向こうは茜色に染まっていた。

 隼人が今日中に行くことはその父の友達には知らされているはずなので、急がないと問題があるのだが。

 如何せん、迷ってしまった以上本当にどうしようと考えるしかないのだ。

「あー……えっとさ、じゃあ良かったら家来る? 一日ぐらいなら泊めてあげられるかもしれないんだ」

「……え、マジで?」

 地獄に仏とはまさにこのことか。

 それならまだ打つ手はある。

 明日一日、この辺りというかこの街をくまなく探せば、それっぽい住所とかは見付かるはずだ。

 遅れた理由は、とりあえずは何とか誤魔化せば問題は無いんだし。

「マジマジ。それに困ってる人を見捨てるのはどうも、ね? それで、どうする?」

 とりあえず嘘では無いだろう。

 というか、この少女が嘘をつくような人間でないことは少しでも一緒にいれば分かる。

 どうしようかと腕を組むが、もはや下手をすればこのベンチの上で野宿にでもなりそうな現状。

 答えなどすぐに出ていた。

「じゃあ……一日だけ頼んでもいいか?」

 本当なら見知らぬ、しかも出会ったばかりに少女にこんなことは言わないのだが、こちとら事情が事情。遠慮無くその好意を受けることにした。

「オッケーオッケー。あ、でもそうなると名前知っておいた方がいいよね?」

「ん、あぁ。そうだな」

 そう言えば、自分は今まで名も知らぬ少女にあんな話をしていたわけか……。

 言っていた自分も自分だが、少女もよくそれを聞いていてくれたものだ。

「俺は杉矢隼人。……見ての通り迷子の少年さ……」

 口に出したら、また泣きそうになった。

「あー……うん、哀しい過去は捨てた方がいいよ……? ……あ、私は羽水春名(はみずはるな)ね。よろしくー」

 すっと不意に差し出された手を、隼人も握り返し――

 ――……あれ?

 その手を握り返そうとした隼人の手は、いきなり方向転換して隼人のポケットへと突っ込まれた。

 そしてその手に握られて出てきたのは一枚の紙。

 他でもない、隼人の父が書いた紙である。

 その紙を広げ、隼人は苦笑を浮かべた表情で、硬直した。

「……あれ? どうしたの?」

 その様子に春名がふと気づき、首を傾げる。

「……あぁ、うん。……偶然って、あるものなんだなぁ……と」

 この事実、どう切り出したものかと顔を動かす隼人は、とりあえずその紙を春名の前に差し出す。

 その紙のには、

「へ? 何これ――……おぉ……なるほど……」

「納得してくれたようで何よりだ……」

 しっかりと、羽水姓が書いてあった。

「……あー……そう言えばお母さんも、今日から誰かが居候するって言ってた気が……」

「今までの会話で思い出してほしかったよ、それは……」

「あー、あはは、あははは……」

 出会って間もない少女だが……今分かった。これだけは言える、と。

「……お前さ、学校とかで友達に天然って言われるだろ」

「あぅっ」

「……それと、嘘がつけない奴とも」

「うぅ……それ以上は私が落ち込むからやめてぇ……」

「あぁ言わない言わない……」

 なので、心の中でもう一つ。

 この少女は、凄く分かりやすい奴だ。

「……とりあえずさ。私の家、行かない? どうせ目的地なんでしょ?」

「あー、だな。そうするか。こんな所で時間潰しててもどうしようもないし」

「ん、決定。じゃあ着いてきて」

 よいしょ、とベンチから春名が立ち上がる。

 それに隼人も続き、再び荷物を肩に提げて歩き始めた。

「あ、持とうか? その荷物」

 だがふと春名が振り返り、隼人の背負うそれを指差しながらそう訊いてきた。

「いや、いいよ。女の子に荷物持ちさせるわけにはいかないだろ?」

「む、男女差別ー」

 ぷぅと頬を膨らませてくるが気にしない。

「こっちのプライドの問題なんだ。ほっとけ」

 というか、ぶっちゃけ、この春名という少女は絶対に力が無いだろう。いやもう間違い無く。

 この荷物も隼人にとってはそこまで重くは無いが、もし春名が持てば二、三分でダウンすることだろう。

「というわけで、気にするな」

「……何でだろう。今、そこはかとなく馬鹿にされてた気が……」

「気のせいだ。きっと」

 ……一応、第六感は鋭いところもあるらしい。

 まぁとりあえずは、と。隼人も止まってしまっていた足を再び動かし始めた。

「ほら、さっさと行こうぜ? こんなところでじっとしてるのもいい加減疲れてきたし」

「あ、ちょ。杉矢君っ!?」

「名前でいい名前で。苗字で呼ばれるのは嫌いだ」

「え、じゃあ隼人君で――って、ちょっとー! 隼人君、道知らないのに何で先導切るの!?」

 ぴたり、と隼人の足が止まる。

 ……最後の最後に、何気に痛い突っ込みをしてくれるじゃないですか春名さん。

「そんな無計画だから迷うんじゃないかなぁ……」

「……うるさい」

 拝啓、父さん母さん。

 ごめんなさい。息子はこんな歳で一つのトラウマを抱えそうです。

 

 いやもう、マジで。

 

 

 

  あとがき


 皆さんどうも、昴 遼です。

 かなり脚色を加えたというかもう別物に近い君に会えた奇跡をお送りします。

 えっと、原作では様々な人からコメディかシリアスかをしっかりしろ、との指摘を受けましたので、コメディ路線でいくことにしました。

 それに伴い題名変更も行う予定だったのですが……やはりしっくり来ないのでやめました(ナニ

 ともあれ、原作ではかなーり無茶のあった設定(この話では家出→家の都合)と言うように、かなり設定に変更が加わっています。少なくとも、コメディ路線なのでダークな内容は無くせるように。

 というわけで、これから他のキャラクターとの出会いも変わってくるかもしれませんのでご了承を。

 あ、ちなみに。時間があれば、原作通りのストーリーでシリアス路線の君に会えた奇跡も書くかもしれません。

 あくまで予定ではありますが、お楽しみに。

 では長くなりましたが。今日はこの辺りで失礼します。




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